馬の博物館 (横浜)

テーマ展
「根付」

2018年2月9日

根付とは、江戸時代に巾着・煙草入れ・印籠などの提物を着物の帯に挟んで腰から提げる際、それらの紐の先端に取り付けられた留め具です。動植物や人々の風俗、物語といった幅広い題材の多彩な意匠が見られ、小さななかに繊細かつ精緻な技巧と遊び心溢れる趣向が凝縮された粋な装身具として、根付は庶民から大名にまで愛用されてきました。
明治時代以降、洋装の普及に伴い日常では見かけなくなりますが、根付は小さな芸術作品として今なお国内外で人気を博しています。

本展では、当館が所蔵する馬を題材にした根付のなかから選りすぐりをご紹介いたします。馬の根付は、実用品としての制約がありながら多岐にわたる題材で実に様々な馬の姿を捉えています。その背景には、根付が主に制作された江戸時代において馬は人々の生活に欠かせない大切なパートナーであり、数々の物語や伝説においては頼もしい活躍ぶりが伝えられ、浮世絵など風俗画にもしばしば登場するほど身近な存在であった歴史があります。本展はこれらの豊富な題材に焦点を当てることで、根付という立体作品ならではの馬の造形を浮き彫りにしようとするものです。

根付になった馬たちの表情や仕草、細部に至るまで施された匠の技とユーモアをお楽しみいただくとともに、当時の人々の馬に対するあたたかなまなざしを感じていただければ幸いです。

【展覧会概要】

展覧会名
テーマ展「根付」
会期
2月24日(土)~4月15日(日)[予定]
開館時間
10時から16時30分(入館は16時)
会場
馬の博物館 第3展示室
休館日
毎週月曜日(ただし3月19日・26日、4月2日は開館)
入館料
大人100円、小中高生30円、団体(20名以上)半額
※障がい者手帳をお持ちの方は無料(付き添いの方は半額)
※毎週土曜日は小中高生無料
主催
公益財団法人 馬事文化財団
お問合せ
045-662-7581
《十二支》
銘 正次
江戸末期~明治初期
馬の博物館蔵
《洗い馬》
銘 正廣
江戸末期
馬の博物館蔵
《馬と猿》
馬の博物館蔵
《座り馬》
馬の博物館蔵